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2017.03.06(更新日)

こんにちは。ハハラッチライターのまっちです。今回は富士宮市柚野にある酒蔵「富士錦酒造」さんをハハラッチしてきました。

富士錦酒造は元禄年間、江戸時代から守り続けられている歴史ある酒蔵です。富士宮市の市街地から車で20分ほど走ると突如現れる田園風景。裾野まできれいに見える富士山と、信号もなくのんびりとした時間が流れる“柚野の里”と呼ばれる風光明媚な場所にこの蔵はあります。取材当日も蔵からはこんなに大きな富士山が見えました!雲で少し隠れているのが残念…。

 

取材に伺うと、富士錦酒造の18代目清信一社長がにこやかに出迎えてくださいました。

酒蔵の18代目、きっと富士宮が地元の方だろうなと思いきや、清社長は横浜生まれの横浜育ち。蔵を継ぐ前はIT関係のお仕事と、まったく違った世界で活躍されていました。大きな仕事のプロジェクトリーダーとしてバリバリ働かれていたのですが、その仕事が一区切りついたところで決心をし、蔵を継がれました。蔵を継ぐと決まってからは東京農大に入学され、酒造りについて一から学ばれたそうです。

 

今までとは全く違うこところに飛び込むことに不安はなかったのですか?と尋ねると「全くかけ離れた分野だからこそ面白かったし、その学んでいる時間は自分の夢を膨らませる時間になった」と笑顔で語ってくださいました。

 

そんな社長の夢とは「日本一愛される蔵になる」だそうです。

 

そのための取り組みとして社長が始めたのが、今ではすっかり柚野の春の定番イベントとなった「蔵開き」です。この蔵開きを始めたきっかけは、社長自身が初めて蔵に入った時の感動をたくさんの人に伝えたいというものでした。

 

最初は「地元を楽しむ」というコンセプトのもと地域の方々の協力で約2000人の来場者から始まったこのイベントが、今では過去最多で16000人もの人が集まるイベントになりました。私も富士宮に来てから毎年参加しています。みんながとても楽しそうに過ごしているイベントで、日本酒が得意ではない私もその雰囲気を楽しみたくて、ついつい毎回足を運んでしまう、そんなイベントです。

 

今年もこの蔵開きが3月19日(日)に開催されます。お酒を楽しみたい方のためにシャトルバスも運行していますよ。富士錦酒造HPに詳しく紹介されていますのでぜひご覧ください。

 

そしてもう一つ「日本一愛される蔵になる」ために取り組んでいらっしゃること、それは蔵見学です。

蔵の中には外部の人が入ることを嫌がる蔵もあるそうですが、社長曰く管理さえきちんとしていれば問題ないのでぜひ見せるべきだと思うとのことでした。また、消費者の立場で考えると見てみたいと思うでしょうしね、とも。このあたり、違う分野で活躍されていた社長だからできる考え方だな、と感じました。さて、ではどうすれば見学できるか…ですが、なんといつでも、誰でも見学することができます。しかし、作業の都合などもありますので、ぜひ足を運ぶ前に一度問い合わせをしてみてください。

県外からの方が多い様ですが、地元の小学生が授業の一環として来たりもするそうです。

 

ということで、私も蔵見学をさせていただきました!

 

まず蔵の入口には洗って、水につけ、蒸す直前の酒米が。真っ白でとても美しかったです。

宙ぶらりんになっているのは酒米の水を切っています。

そして蔵の中へ。蔵にはお酒のいい香りが漂っています。香りだけでちょっといい気分になってしまそうです。蔵に入ってすぐのところに酒をかき混ぜる時に使う「櫂(かい)」という道具を発見。櫂を持って社長が笑顔でポーズをとってくれました。おちゃめです!

この長い櫂は持つだけでもかなりの重量があり、私はしっかり持って立っていられませんでした。これを使ってかき混ぜるのはかなりの重労働ですね。

 

そしてこのズラッと並ぶタンクの上部にも上がらせていただけました。

仕込み中のタンクがズラリ。蓋をとって中を覗くと酒がブクブクと泡を出して発酵しているのがわかります。先ほどの蔵に漂うお酒のいい香りは、この発酵によって生み出されているんです。泡がブクブクと吹き出す様はとても神秘的でした。

たくさん並んだこのタンク、昔は木の桶を使用していたのですが、今では鉄製で中はホウロウ素材のものが使われています。ホウロウは修理ができるので長持ちするそうです。蔵にあるタンクの中で一番古いものはなんと昭和33年製!!私よりずっと先輩です。そしてこのタンク、なんと私と同じ大阪出身でした。大阪から、私もあなたもここ富士宮に辿り着いたのね、とちょっと同郷の友を見る目でタンクを見つめてしまいました(笑)

 

このタンク、戦後いらなくなった戦闘機や戦艦を溶かし、タンクの材料として再利用して作られたそう。蔵の中にはそんな日本の歴史も詰まっているということを教えていただきました。

こういった豆知識を教えていただきながら蔵をまわることができるのも蔵見学の醍醐味。このタンクのお話以外にも、昔言われていた蔵には女人禁制という迷信のホントの話や、なぜ酒造りは冬に行われるのか、などなどたくさん興味深いお話を聞くことができました。詳しくはぜひ蔵見学した際に聞いてみてくださいね。

 

このように、この蔵見学、いつでも楽しめる内容ではありますが、やはり酒造りが行われている今の方がより楽しめそうです。仕込んでいるタンクの中を見ることができたり、酒の香りが漂っているのは今だけですからね。酒造りはだいたい3月いっぱいで終了してしまうそうなので気になった方はお早めに!もちろん蔵開きの時にも見学はできるそうです。

 

今回取材をさせていただいて、社長をはじめ富士錦のみなさんがとても温かく迎え入れてくださったことが印象的でした。蔵を見学していても、みなさんお忙しいはずなのにわざわざ手をとめてにこやかに「こんにちは」とあいさつをしてくださりとてもうれしかったです。社長の「日本一愛される蔵に」という想いが従業員の方にもしっかり伝わっているのだなと思いました。地元のお酒ということで今までも帰省の手土産や、ちょっとした贈り物によく購入していましたが、実際足を運んでみてこの蔵の雰囲気を肌で感じて、ますます富士錦のファンになりました。

みなさんも今まで自分が飲んでいたり、酒屋さんやスーパーで目にしていたあのお酒がどんなところで、どんな人が、どんな想いでつくっているのかを知れば、今まで以上に楽しくなるのではないかな、と思いますのでぜひ一度足を運んでみてください。

ハハラッチライター

まっち

まっち

農家の嫁なオシャレ番長

大阪出身。アパレル販売員。オーガニック野菜を作る農家の夫とわんぱく盛りの息子と暮らしています。富士宮歴短めなのでまだまだ知らない富士宮の魅力を探っていきたいです。