大切な命を守るために、普段からできることを

2018.08.20 公開
富士宮市防災マップ

知っていますか?「富士宮市防災マップ」

今年に入ってから、6月に大阪北部地震、7月に西日本豪雨と痛ましい災害が相次ぎました。
私たちはどこにいても、そんな災害に遭わないという保証はありません。
だけど、被害を最小限に留めるために、日頃から備えておくことはできます。

富士宮市ではこんな防災マップがあることをご存知ですか?
富士宮市防災マップ

「富士宮市防災マップ」
<富士宮市でどんな災害が起こるのか>
<災害が起こったときにどんな行動をすればいいのか>

が分かる心強い一冊なんです。

西日本豪雨では「ハザードマップの危険エリア」と「実際に被害を受けたエリア」が一致した地域もあったとのこと。
いざというときのことを考えるのは怖いし、気が進まないけれど
自分や家族、大切な人の命を守るために、普段からできることをしておきませんか?

「富士宮市防災マップ」はどこで見られるの?

「富士宮市防災マップ」には見る方法が3種類あります。
(1)冊子版
(2)Webマップ(パソコン用)
(3)アプリ版(スマホ用)

入手方法ですが
(1)の冊子版は、お近くの公民館や市役所(1階の市民課)で配付されています。
(2)のWebマップは、ホームページから
(3)のアプリ版は、スマホでダウンロードすることで見ることができます。

http://hazardmap.city.fujinomiya.shizuoka.jp/

富士宮市防災マップWeb版

(1)冊子版は数年に一度の更新ですが、(2)(3)は随時情報が更新されます。
災害時は停電も考えられますので、冊子版を確保しておいて、あとはパソコンやスマホなど使いやすいツールで普段からチェックしておくといいかと思います。

まずは「どんな災害が起こるのかを知る」ことから

冊子版は50ページとボリュームがあるので、どこからどう見ていったらいいのかわからず、手元にあるだけで安心してしまい、そのまま放置…
あるあるですね(笑)私もそうでした。

まずは<自分の生活エリアで、どんな災害が発生するかを知る>ことから始めましょう。

Webマップ・アプリ版では、災害の種類や避難所などの施設を選んで表示することができます。

富士宮市防災マップWeb版

画面はWebマップのもの
(冊子版では、土砂災害と施設が23ページから、洪水災害が11・12ページ、地震災害が1・2ページで確認できます)

自宅、子どもの通う学校・保育園・幼稚園、職場、通勤通学ルートなど。
一日単位、一週間単位で、自分と家族がどこにいるか考えながら、生活エリア内をチェックしてみましょう。

次に「災害が起こったときどうするか」を前もって考えておく

今回、市役所の地下1階にある「危機管理局」さんで、お話を伺ってきました。
西日本豪雨が起こった後だったので、大雨による災害を想定しています。

ハハラッチ(以下ハ):西日本豪雨では、どんどん雨がひどくなっていくなか、旦那さんが帰宅していない状況で、赤ちゃんと小さい子どもを連れて避難所へ行くかどうか、迷ったお母さんのお話を耳にしました。
実際にどの段階で避難すればいいのか、ということがとても難しく感じます。

危機管理局(以下危):西日本豪雨の際、「避難準備・高齢者等避難開始」は半日前、「避難勧告」は数時間前に出ていたそうです。
「避難準備・高齢者等避難開始」の段階であれば、普段と変わらない安全な状況のなかで避難できたと考えられます。

ハ:そうなんですか! 「避難勧告」までは準備段階で、実際は動かなくていいと思っていました…

危:避難情報には「避難準備・高齢者等避難開始」「避難勧告」「避難指示(緊急)」の3段階があります。
「避難準備・高齢者等避難開始」時点では、あまり普段の状況とは変わらないので、危機感はないかもしれません。ですが別の場所に避難するのであれば、この時点で動かなければ危険が伴います。
高齢者や小さいお子さん連れのご家族などは、この段階で避難を開始してください。

避難情報の発令基準について

防災マップ9ページより

「避難勧告」「避難指示(緊急)」が出たら、すでに外に出ること自体が危険です。
「避難準備・高齢者等避難開始」が出てから「避難指示(緊急)」が出るまでの間に、
すべての避難が完了していることが前提で、
もうすでに河川が氾濫してしまった等、実際に何か起こってから出るのが「避難指示(緊急)」です。

ハ:思っているよりも、早めに行動していないと手遅れということなんですね…
すでに浸水が始まっている等、家から出られないような状況では、どうしたらいいんでしょうか。

危:その際は「垂直避難」を行ってください。
2階以上の建物であれば、2階から上へ。山沿いのおうちでしたら、崖崩れの危険がありますので、山寄りではない方の部屋へ移動してください。

今回被害の多かった岡山県の倉敷市真備町地区では、死亡された方の8割が1階にいらっしゃったそうです。

ハ:2階にいるだけでも、違うんですね。

豪雨災害における避難について

防災マップ10ページより

西日本豪雨の様子をテレビなど映像で見ていると、
一気に水が押し寄せてきて、避難情報が出てからの時間が短くて逃げられなかったのだろうか… というような想像をしていたのですが
実際には半日前に「避難準備・高齢者等避難開始」が出ていたことや、富士宮市の防災マップに豪雨時の避難方法などがしっかり書かれていたことを知って
事前に正確な知識を得ておくことが、いざというときの生死を分けるんだと痛感しました。

正しい情報を得るためにできること

「こちらは広報ふじのみやです」で始まる放送。
市内に住んでらっしゃる方にはお馴染みの存在です。
県外からやってきた私には、放送が日々流れることにビックリ!

こちらの放送、正式には「同報無線放送」と呼ばれるもの。
天気や場所によっては、聞こえにくかったり、聞き逃したりしてしまうこともありますよね。
でも大丈夫! 放送で流れたものと同じ内容をメールで受け取ることもできるんです。

富士宮市同報無線メール配信サービス

https://service.sugumail.com/fujinomiya-broadcast/member/

こちらは登録無料ですので、いざというときに備えて普段から登録しておきましょう。

地震や火山噴火はいつ起こるか分からないけど…

大雨による災害の他、富士宮市で想定される災害は「地震災害」
そして「富士山の火山災害」です。

大雨と違って、これらはいつ起こるか分からない災害です。
だから、どんなことが実際に起こるのか想像しにくいこともあり、備えも後手後手になりがち。

富士宮市は海に面していないため、地震が起こったとき津波による被害はほぼないと予想されています。
ですので、富士宮市に住む私たちができる対策として、家庭内では「家具による倒壊を防ぐ」ことがとても有効とのこと。
寝室に大きな家具がある場合は特に、しっかり家具の固定を行っておきましょう。

地震が起こったとき、自宅や学校、職場といった「点」にいるときの想定はよくされますが、通勤・通学時の「線」上に危険がないか、確認しておくのも大事。
6月の大阪北部地震で、小学生のお子さんが通学路のブロック塀に下敷きになり、亡くなってしまったことから、皆さんの記憶にも強く残っていることと思います。

また「富士山の火山災害」については、
富士山が噴火したとき、どこに火口ができるかによってかなり対応が異なってきます。

富士宮市に影響があるのは「ライン」と呼ばれる「火口位置から予想される溶岩流などが流れてくる被害範囲」のうち
「ライン5〜10」の範囲で、面積としてはほぼ半分。黄色の四角部分です。

富士山噴火ライン

防災マップ5ページより

「ライン5〜10」に影響が出る場所から噴火した場合、1日以内に避難しなければならないエリアが富士宮市には第一次、第二次避難対象エリアとして存在します。

富士山噴火の際の避難対象エリア

防災マップ6ページより

また、第四次避難対象エリア以降へ被害が予想される場合は、富士宮市外が避難所として状況に応じて設定されますので、日頃から情報をキャッチできるようにしておくことが大事です。

まずは、火口ができる位置で、生活エリアに影響がでるのがどの「ライン」上にあるのか、一度確認してみてください。

富士山の噴火に関しては、ある日突然起こるというより、地震といった予兆があることが予想されています。(もちろん想定外ということもありえます)

1年に一度は防災について考える時間を

色んな災害の情報をただ見ていただけのときは、何となく不安という気持ちが強かった私ですが、危機管理局さんで「防災マップ」の見方を聞いただけでも少しホッとしました。

大雨、台風、地震、火山噴火…
あげていけばキリがないし、災害はいつどこで起こるかわからないものです。
だからこそ、自分と大切な人達の命を守るために、日頃からできることを準備しておきましょう。

富士宮市内では、防災の日(9/1)前後に防災訓練をする地区が多いので
これを機に「富士宮市防災マップ」を家族で見る時間を作ってみては?

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ハハラッチライター

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わかば

熱いものを隠し持つグラフィックデザイナー 夫と小学生の娘と3人暮らしです。普段はフリーランスのデザイナーとしてお仕事しています。出身は山口県。富士宮市の魅力を子育て中の方に役立つ情報として発信できたらと思います♪

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