みなさん、富士宮市は小水力発電日本一の町だって知っていますか?
「そもそも、小水力発電って何?」「何が日本一なの?」「私たちとどんな関係があるの?」
根本的な疑問を抱えながら(笑)、12月に開催された小水力発電全国大会に行ってみました。
実は、私たちの生活と密接に結びついている話だったのですっ!!
参加レポートです(^_^)/
全国小水力発電大会in富士宮 1日目はどんな感じ?
2018年12月13日~15日、富士宮市民文化会館を主会場に
「第4回全国小水力発電大会in富士宮~未来を照らす、地域の水の恵み~」が開催されました。
参加したのは、小水力発電に関わる発電会社の方、研究者の方、地元の方などなんと約1,500人!
会場入り口、ものすごいスタッフ数と参加者の皆様の人数…
思っていた以上の規模の大きさに少しびびりながら
初日の開会式&基調講演&パネル討論会場である文化会館大ホールへ。
オープニングでは、市内で撮影した水と小水力発電施設の動画上映、北山本門寺の太鼓披露、
富士宮市長や、実行委員長、主催者である全国小水力利用推進協議会会長、
副知事や衆議院議員の挨拶に始まり、基調講演として千葉大学の倉阪先生からお話がありました。
基調講演の内容は非常に専門的なものでしたが、私が納得したのは…
『2メガワットのメガソーラー施設の稼働率は14%、
320キロワットのある小水力発電の稼働率は90%。
小水力発電は安定的な再生可能エネルギーである。
地域主体でやっていくには条例が必要。
小水力発電は、地域の持続可能な自立の切り札となる。』という言葉でした。
総合的な感想としては、「いいじゃん、小水力発電!」(笑)
そもそも小水力発電って何?
そもそも小水力発電とは、電気を作る発電方法の1つで、
ダムなどの大規模水力発電ではなく、川の落差などでタービンを回して発電する発電方法のこと。
発電規模が1,000キロワット以下の水力発電を、小水力発電と言います。
太陽光発電と並び、自然エネルギーを電気エネルギーに変えるエコな発電方法なのです。
太陽光などに比べ昼夜、年間を通じて安定した発電が可能で、
設備利用率が高く、太陽光発電と比較して5~8倍の電力量を発電できるそうです。
実は市内には、12ヶ所の小水力発電施設があるんですって。
その数と最大出力数が日本1なんだそうです。
よく見ると、私の住んでいる柚野地区にも1ヶ所発電施設があり、なんと自宅のすぐ近く…。
まさかあれが小水力発電施設だったなんて、ビックリです。
会場では各施設のパネル展示や、関わる企業の出展ブースなどもありました。
市長挨拶によると、
市内の太陽光発電量と水力発電量を合わせると、
家庭における電力使用量の96%を発電しているんだそう!これ、驚きじゃないですか?
「この全国大会を機に100%を目指します」と宣言していました。
実は2日目の分科会に登壇しました!
2日目は、分科会と事例発表が開催されました。
分科会のテーマとしては、
「地域貢献と経営の両立」、「富士宮市内における水力発電の新たな取り組み」、「電力の六次産業化」
「水力発電を担う人材育成」、「輸入水車の活用」、「農業用水エネルギーの新たな可能性」
などといったラインナップです。
そして、実はこの中の第3分科会
「電力の六次産業化~自分で作り、自分たちが使う、自分たちが売る~」に、私登壇いたしました(^^;)
パネラーの皆さんは、宮城県や鳥取県で発電事業者として働いている方などで、
私は消費者の立場代表としての登壇でした。
宮城や鳥取での地域から生まれた再生可能エネルギーの発電事業者が始まった経緯や、
発電量や契約数などの現状、課題や展望などを話していきながら、
地域で電気を作って使うという図式は可能なのか、というようなことを話し合いました。
個人的には、原発に不安を抱いている市民の1人なので、
もし、家で使う電気を再生可能エネルギーで発電されたものから買える電気事業所が生まれてくれるなら
すぐにでも契約したい気持ちなんです。
読者の方にもそういう方、多いのではないでしょうか?
消費者の立場からそんな話をさせてもらいました。
3日目は、エクスカーションとして4つのコースに分かれての現場視察。
市内発電施設や富士錦など回る「芝川コース」、
市内発電施設やまかいの牧場、養鱒場など回る「白糸・北山コース」、
東部の発電施設や中伊豆ワイナリーヒルズなどを回る「伊豆コース」、
世界遺産センターと浅間大社を徒歩で回る「ぶらり徒歩コース」だそうです。
小水力発電に未来を感じる
電気なしでは生活できない今の時代。
我慢する省エネではなく、無駄を削減する省エネが可能というお話を聞き、
更に再生可能エネルギーの富士宮の展望を伺い、
未来が明るくなるのを感じた全国大会なのでした。
ついこの間まで、小水力発電の「し」の字も知らなかった私ですが、
全国大会への参加&登壇を通して、小水力発電施設がこんなにあるなんて
富士宮市の自慢だなと思うまでになった私。
今はその発電電力を自分たちで買うことはできないのですが、
いつか地域から発電事業者が生まれ、
うちで使う電気はあの川で発電していると言える日がきたら最高だなぁと感じた時間でした。