目次
やってきました夏休み!でも、毎年夏休みの過ごし方で頭を悩ませているママにとって、今年もなかなか苦労するのではないでしょうか。
そこで、子どもの好奇心を満足させつつ、夏休みの宿題にもできそうな展示会をご紹介します。
それが、静岡県富士山世界遺産センターで開催されている「富士山表口の歴史と信仰―浅間大社の興法寺―」。
息子が小学生になったら、自由研究のネタにしようと目論んでいるちかちかが、公開前取材に行ってきました。
展示会で富士宮口の歴史を知ろう。
JR富士宮駅から西へ約600m行くと、逆さ富士をモチーフにした展示棟が特徴的な、静岡県富士山世界遺産センターが見えてきます。
こちらの2階企画展示室で開催されているのが、「富士山表口の歴史と信仰―浅間大社の興法寺―」。
静岡県富士山世界遺産センターと富士宮市教育委員会の共同開催で、タイトルから見て取れるように、富士宮口の歴史について知ることができます。
今でこそ、スポーツや観光としての富士登山ですが、はるか昔は信仰のために山頂を目指していたんですよ。
宗教と人々が、富士山を通じてどのように関わっていたのか。
それが分かる内容になっています。
見どころその1:国指定重要文化財の実物登場!
展示会のチラシを飾っている絵、何だか分かりますか?
これは、国指定重要文化財の「絹本著色富士曼荼羅図(けんぽんちゃくしょくふじまんだらず)」を元にデザインされたんです。
舌をかみそうな名前のこの絵は、富士登山、富士山信仰を絵解き(解説と布教のこと)するために、室町時代後期に描かれたとされています。
今まで、さまざまな展示会でたくさんの人を楽しませてきたのですが、劣化や損傷が激しくなってしまいました。
そこで、平成29年度から3年の歳月をかけて復元!
実は、今回の展示会が復元後の初公開なんですよ。
見どころその2:大昔の富士宮口と信仰が分かる!
富士登山の歴史は古く、1149年(久安5年)には山頂に人が立っていました。
その頃から富士山信仰があったんですね。
富士山本宮浅間大社~富士山興法寺(現在の村山浅間神社・大日堂)を経由する登山口がその後整備され、明治39年まで脈々と使われてきました。
富士山本宮浅間大社と富士山興法寺は、その信仰から多くの偉人や武将の保護を受けていたので、展示品には歴史の教科書に載っている名前がたくさんありますよ。
昔の富士山興法寺と現在の村山浅間神社・大日堂
ところで、興法寺は1つなのに呼び名が3つもあって、少し混乱しませんか?
現代に生きる私たちの感覚では分かりづらいのですが、「神仏習合」と「神仏分離令」が混乱の理由です。
興法寺が建てられた頃は神仏習合の時代で、簡単にいうと「神様は仏様の仮の姿」という考え。
だから、お寺と神社が同じ敷地に建っていてもおかしくないのです。
ところが、明治に入って「神仏分離令」が発令されます。「仏様と神様を分けましょう。お寺と神社も分けましょう。」となりました。
お寺の成り立ちから歴史を感じられるのも、この展示会の見どころですよ!
観覧時の注意点
企画展示室に展示されている品は、重要文化財ばかりなので、観覧するときは配慮が必要です。
みんなが気持ちよく見られるようにしましょう。
- 企画展示室の中は、撮影禁止
- 乳幼児の飲み物(水やミルク)のみ、持ち込みOK。ただし、飲ませる場所は1Fか屋上。
※虫の発生や、展示品がカビで痛むのを防ぐための措置です。
静岡県富士山世界遺産センターの詳しい情報は、過去のハハラッチ記事を参考にしてください。
親子で楽しもう!おすすめポイント4選
親が子どもにやってあげたいことの1つに、「本物を見せてあげたい」があるのではないでしょうか。
静岡県富士山世界遺産センターで開催されている「富士山表口の歴史と信仰―浅間大社の興法寺―」には、国指定重要文化財をはじめ、県指定文化財など全部で40点の貴重な品を直接見ることができます。
遠くの美術館より、近くの展示会。
地元開催の恩恵を最大限に生かすポイントを4つ、ご紹介しますね!
1.富士宮市内の文化財をめぐって追体験
今回の展示会は「見る」だけではなく、街に出て「体験」もできるんですよ。
市街地には、富士山本宮浅間大社とともに発展した、江戸時代の町の文化財が数多く残っています。
その文化財をめぐる3つのウォーキングコースを、富士宮市教育委員会が紹介!
どれものんびり歩いて2時間ぐらいのコースなので、ぜひ親子で歩いてみましょう。
2.土曜日は1時間の解説トークで深堀り
取材陣も興味津々!
開催期間中、土曜日は無料のギャラリートークがあります。
担当の学芸員さんが、展示品などの解説をしてくれるうえに、話が聞ける時間はたっぷり約1時間!
実は、取材で展示品の解説を聞くことができました。
直接話を聞くと、重要文化財なのにすごく親しみがわきましたよ。
さらに「実はね……」という、知っている人しか知らない話も聞けて、お得な時間が過ごせました。事前申し込みはいらないので、これは本当におすすめです。
ギャラリートーク
開催日:7月10,17,8月7,14,9月4,11日(各土曜日)
時間:1巡目13:30~ 2巡目15:00~
所要時間:約1時間 事前申し込み不要、直接会場へどうぞ!
3.子どもは何回行ってもタダ
大人は観覧料700円ですが、大学生以下は無料なんです。
ようするに、子どもは何回行ってもタダ!
展示会は、じっくり見たくても他のお客さんとの兼ね合いがあって、むずかしいですよね。
でも、700円あれば親子で入館できる。これなら気軽に見に行けますね。
中学校以上の人は、学生証などの在学を証明できるものを提示する必要があるので、忘れずに持っていきましょう。
4.常設展示もそのまま見られる
企画展示会の観覧料に、実は常設展示の観覧料も含まれています。
逆にいうと、企画展示のみのチケットはありません。
常設展示も大学生以下は無料なので、子どもとお話をしながら、ゆっくり見てまわるのもいいですね。常設展示は、富士山をフォーカスしています。
この夏は富士山世界遺産センターで本物に触れよう!
自分の目で直接「本物」を見る機会は、意識しない限り少ないものです。
それは子どもたちも同じ。
復元後、初公開となる絹本著色富士曼荼羅図をぜひ楽しんでください!
きっとすてきな思い出ができますよ。
「富士山表口の歴史と信仰―浅間大社の興法寺―」基本情報
開催期間は2021年7月10日(土)~9月12日(日)。
前期は7月10日~8月9日、後期は8月14日~9月12日と分かれています。
中休みに展示品の入替えが行われ、「絹本著色富士曼荼羅図」の実物は前期のみです。
後期はレプリカの展示となるので、実物を見たい人は、前期に行きましょう。
基本情報
住所 | 〒418-0067 静岡県富士宮市宮町5-12 |
Tel | 0544-21-3776 |
開催期間 | 2021年7月10日(土)~9月12日(日) |
営業時間 | 7,8月:9:00~18:00(最終入場17:30) 9月:9:00~17:00(最終入場16:30) |
休館日 | 毎月第3火曜日 (期間中は7月20日、8月17日が対象) |
観覧料 | 一般:700円 70歳以上:200円 大学生以下、障害者など:無料(証明書を提示) |
駐車場 | 富士宮市神田川観光駐車場(有料)を利用 |
HP | 静岡県世界遺産センター 共催展示関連イベント |