富士宮に移住してきて、ずっと農業体験をしてみたかった移住者ライターななち。
その割には、近所の畑をボーッと眺め、
「これ、まず何から始めたらいいのだろうか?」
と佇みながら、特に畑のやり方を調べることもしていなかった私ですが…
さかのぼること今年の3月、SNSのストーリーズに流れてきた「田んぼレンタルオーナー制度」の募集を目にし、
「とうとう田んぼもレンタルできる時代なん!?」
と、いつものテンション高めの独り言を言いながら読み進めると……
なんと普段の管理などはやって頂けるとのこと。
これだったら、小さい子供がいて働いていても、家族で楽しみながら継続的な農業を体験できるかもしれないと思い立ち、すぐさま夫と話し合って申し込みをしました。
お米づくりの体験は種まきから
4月中旬に、田んぼをレンタルしているオーナーが集まり、お米の種まき会が行われました。
最初のイベントであったものの、スケジュールの都合がつかず、参加ができなかったので、富士山白糸ファームの公式Instagramや、自宅でもできる種まきをの仕方などを情報収集していると、
100円ショップのバケツでも、お米が作れるという情報を目にし、たまたまもみ殻付きのお米が少しあったので、お家で体験してみることに。
この方法は、小学校の食育でもやっている取り組みだそうで、調べるとたくさん情報が出てきました。
一度もお米を育てたことがないからか、本当にこんなバケツで稲になるのか信じられないまま、
「これで、本当に芽が出るのかな?」
と半ば疑いの目で観察を続けていると、一粒の種もみから、芽が出てちゃんと稲となりました。
他のバケツは、暑さでダメになってしまったようで、あまり育ちませんでした。やはり、簡単ではありませんね。
「あぁ〜お米を毎日お腹いっぱいぱい食べられるって、本当にありがたいことなんだよなぁ。」と、子供にも大人にも食育の機会として抜群な体験をしている実感が湧いてきます。
早く白糸の田んぼを見に行きたいなぁと思いながら、バケツの稲が成長する様子を観察していました。
雄大な富士山をバックに田植えの才能が開花した日。
待ちに待った田植えの日がやってきました!
県外市外からも多くのお客さんが訪れる「らいすぼうる」さんで、参加者に提供してくださるおにぎりランチを頂きました。
私たちが作るお米は、こんなに美味しいお米になるのよね〜。と期待を膨らませつつ、白糸地区の集合場所へ。
もはや、想像の域でしかない田植えウェアを装備して行ったものの、他の参加者の皆さんは、プールに行くような装備をされていて、ユニクロのステテコパンツでは甘かった…と少し後悔。
主催者さんの車の後をついて、田植えをする場所まで移動し、苗の植え方を教えてもらったら、とうとう田んぼに入ります!
天候は少し曇っていて、暑くもなく寒くもなくちょうど良い感じ。
2歳半の息子は、最初田んぼに入るのを嫌がり……
「だぁっこぉおおおおおおおお〜!!!!」と、富士山の麓で大声がこだましていましたが、他の参加者さんが楽しそうにしているのを見て、気がついたら大丈夫になっていました。
そして私は、なんで今まで農業やらなかったんだろう?と不思議に思うくらい田植えが馴染んでました。
無心で借りた区画を田植えして、時間内に無事終了!
田んぼのあぜでキャッキャしている夫と息子を尻目に、もはや目を瞑ってもできるんじゃないかというほど、集中してコツコツと黙々とやり遂げました。日本人のDNAが自分にもちゃんと流れているんだと嬉しくなりました。
7月初めに田んぼの蛍鑑賞会にも参加
富士山白糸ファームさんが貸し出している田んぼでは、蛍が見られるようになったとの情報が。
白糸地区の田んぼ周辺で、虫博士こと新海貴志さんを「まかいの牧場」からお招きし、今回初の試みで鑑賞会が開かれました。
田んぼのオーナーだけでなく、蛍の鑑賞会にはたくさんの方々が来られていました。
突然ではありますが、蛍ってどんな場所で見ることができると思いますか?
実は、単純に水が綺麗なところという条件だけではないそうで、そんなに綺麗じゃない水辺にもいるそうです。
すごく意外ですよね。そして、なぜ今、蛍が見られるようになったのか…?
田んぼを管理している主催者さんのお話いわく、昔はこの地区で蛍を見ることがなかったのだそう。
白糸地区で除草剤や農薬を極力減らすお米づくりを始めてから、蛍が見られるようになったとのことで、そこには蛍の幼虫期の餌の豊富さが重要とのことでした。
富士山白糸ファームさんが、荒れていた田んぼをゆずり受け、オーナーを募ってお米を作っていらっしゃる理由の一つに、この白糸の美しい田園風景の景観を守るというミッションが存在しています。
富士山が悠然とバックに映えるこの田園地帯は、日本むかし話を絵に描いたような桃源郷で、初めて目にした時は息をのむ美しさでした。
全国的にもお米農家さんが減ってきてしまっている中、この日本人と共に歩んできたお米づくりの風景を、いつまでも富士山の麓に残していけるよう、私たちの手で守っていきたいですね
次回の稲刈りは、9月の中旬に予定されています。
もちろん、稲刈り編も執筆予定ですので、ぜひともご覧いただき、富士宮の米づくり最前線をチェックしてくださいね。