さっそく後編スタートです!こちらでは【外食中の子ども待たせあるある】と題をつけまして、ハハラッチライターの先輩ママのみなさんからいただいたエピソードをご紹介!また食育実践プランナーの視点から、食育についてのお話も関連付けてできればと思います。
『食育実践プランナー』とは、『毎日の食生活に生かせるような正しく役立つ食の知識を幅広く伝え、実践していく』という役割を担っています。
後編では、外食のときにどんな食育実践ができるかについても触れていきます。こちらも最後までお付き合いください。前編を読み返したい…。読み忘れた…。という方はこちらからどうぞ♪
◇外食中の子ども待たせあるある!
ここからは、前編で紹介したハハラッチの先輩ライターへのアンケートの
(3)子どもの待たせ方について、具体的な方法やオススメなど
(4)具体的なエピソードやご意見など の内容をまとめてご紹介!
たくさんのご意見をいただき、先輩ライターのみなさん、本当にありがとうございます!(ご意見やお話は少しまとめてありますので、表現などが異なる場合があります。ご承知おきください。)
先輩ママたちのすてきな工夫や共感エピソード満載です!
(3)でいただいた意見を大きく分けて4つにまとめてみました。
スマホ・タブレット |
・困ったなーと思いながら幼児向きのアプリを見せている。 ・初めからスマホだと飽きたときにそれよりも刺激的なことがないため、最初は、お絵描き→おもちゃ、もう飽きてきて限界!となったらスマホに。 ・好きな車のおもちゃを必ず持参するが、外食などのいつもと違うシーンでは車では集中できず、結局動画に。年齢的にも言い聞かせなどは通用せず…。 ・3歳くらいまではお菓子でもったが、それ以降はスマホ。 ・子どもが待てないから自分の食事を短くするなどしていたが、「せっかく外食してるのに自分が楽しめないのが納得行かず…割り切ってスマホで待ってもらう。」 ・スマホは最終手段。 |
おもちゃ・絵本・お絵描き・塗り絵など |
・好きなおもちゃや本はキャラクター図鑑のような物を持っていく。「〇〇はどこにいるかな?」とクイズ形式にして探すゲームにすると楽しいようで、結構喜んで長い間集中してくれる。 ・コインガチャがある所に行くと新しいおもちゃが手に入るため、それで遊んでくれる。 ・2歳くらいまでは絵本やぬいぐるみ遊び、2~3歳ではシールブックやおえかき、幼稚園からは折り紙やあやとりも持っていった。手遊びやなぞなぞ、しりとりもよくした。大人の持ち物にも興味深々で、手帳に落書きさせる等、許せる範囲で好きに遊ばせていた。 ・100均の磁石のお絵描きを持参している。 ・イヤイヤ期のうちは夢中になれるミニカーや絵本が大好きだったため、好きな絵本を持参して遊びながら待っていた。 |
過ごし方や食べ方の工夫など |
・もうすぐ美味しいごはん食べられるから待っていようね!と楽しみな気持ちにさせる。 ・とりあえず子どもメニューを最初にオーダーし、早く来るように。大人はゆっくり選ぶ。 ・動き回りたいタイプの子だとおもちゃは全く通用しない!夫と自分とで早く食べ終わった方が相手をしたり、散歩したりする。 ・親が時間差で食べて、旦那が子どもを連れて外に出ていた。 ・子どもが食べ終わったら大人が交代で子どもを連れ出して店の周りを散策していた。 ・まだ0歳9ヶ月なので、ぐずりそうな時は膝に抱っこが一番落ち着く。 ・1歳10か月男児、1歳前後の時はおもちゃもスマホもダメで、小6の長女と小4の長男が順番に外に散歩に連れて行くなどしてみていてくれたのでとても助かった記憶がある。 |
お店選び |
・どこのお店にいくのかが重要! ・飽きて寝転んだり寝落ちしたりしてもいいように、長椅子ありのテーブル席を選ぶ。 ・お子様メニューのおもちゃやファミレスのグッズに助けられた。 |
個人的にも共感エピソードが満載でした。シールブックを知らなかったので、今回のアンケートで知ることができ、今度使ってみたいなと思いました。
また、まとめている中で、印象的だったことが二つあります。
一つ目は、「スマホ・タブレットは最終手段!」と考えている方が多かったことです。最初からスマホではなく「大人が食べ終わるまでの短い間だけ」という思いを感じます。画面を近くで見たり、長々とやってしまったりと幼いうちは使い方の約束をすることが難しいですよね。やめさせようと取り上げると大泣きなんてことも…。それでも外食のときには心強い味方になりますよね。
二つ目は、家族での協力プレイが大事なことです。我が家もそうですが、子どもが食べ終わったら、空いている方が子どもと関わるようにしています。これも外食中の子連れあるあるなんですね。
ちなみに「どっちかが見なきゃいけない」のではなく、「子どもと関わることができる時間!」と思うようにしています。我が家では、平日だとパパの帰りがどうしても遅くなるので、休日は子どもと関われる貴重な時間。そして何より子どもが一番嬉しそう。
ご意見の中に「『おいしいごはんが食べられるよ』と声掛けをする。」とありました。これは食育にとっても大事なことで、食事に対する大人の前向きな声かけは、子どもの食事への意識づくりに良い影響を与えます。子どもにとって食事が「一人のつまらない時間」と思わせないことも大事かもしれません。
◇先輩ママのこんな思いも…
いただいた意見の中で、とても印象的だったお話がありましたので、ご紹介します。
一番行きやすいのは回転すしです。息子の大好きな納豆巻きといなり寿司、ポテト、だし巻きたまごをあげておけば、かなり時間が稼げるので大人もゆっくりたべられます。息子と二人でも行ったりもします。お子様ランチなど、子ども単体で注文すると、多かったり食べなかったりするので、親の分を取り分けてました。
子連れでの外食では、子どもが食べられるメニューが多い所やキッズスペースの有無、座敷があるかどうか…など「どこで食べるか」といった食事の環境が大事になってきます。子連れOKとしている飲食店やレストランの多くは、ユニバーサルデザイン1を意識して、子連れでも、誰でも快適に過ごせる工夫をしてくれています。行きたいお店を一軒一軒チェックするのはなかなか難しいですが、そんなときはぜひ、ハハラッチの【グルメ記事】を参考にしてみてください。
食事の環境づくりにおいて、実は、大人の過ごし方も影響します。子どもは親の食べ方を見て学んでいます。親が忙しなく食事をしていたら「食事は急ぐものなんだ!」と子どもが認識してしまうかもしれません。ゆっくりと食事を楽しむことで、食に向き合う時間が長くなるので、食事への興味関心が高まります。大きくなり、学校などで集団生活が始まると、時間内に食事をするという意識作りも必要になりますが、就学前の幼いうちは、急ぐ必要はないと思います。その場の状況で判断する必要もありますが、基本的には、家族でゆっくり食事を楽しめる環境づくりを心掛けるといいですね。
回転寿司やファミレスなど、店員さんを呼ぶチャイム音、席番号を表示する電光掲示板の番号が好きな4歳息子。私が食べてても結構な頻度で「これは〇〇番?」「あれは~?」と聞いてきますが、「なんだろね~?」「なんだと思う?」と答えるようにしてます。そうすると、しばらく数字を読み上げたりしながら一人遊びしてくれます。…大人しく座ってはいませんけど(笑)
子どもが話すようになると、おしゃべりが止まらないという話をよくききます。ゆっくり食べたいとき「ちょっと静かにしてほしいなぁ…」と思うこともありますよね。あまりにも激しい会話や話してはいけないような場合は注意が必要ですが、食事中の会話は、実はマナーを学ぶことができたり、子どもが食事を楽しむようになったりと、実は、誰でも実践できる食育の一つなのです。
また、一緒に食事をしているけれど、食べるものがちがうとき、「こんな味がするよ」や「こんな野菜を使っているんだね」と食事の気付きを話すことで、子どもの食への感性や興味関心が高くなります。簡単にいうと、子どもの「食べてみたい!」という気持ちがうまれてくるということです。子どもの食への前向きな気持ちは食の好き嫌いを改善する上でもとても大事になってきます。様々な食材や料理に子ども自身がチャレンジしてみようと思えるってとてもすてきなことですよね。
子どもが食事中にしゃべりだしたら、はじめから「静かにして」ではなく、さりげなく会話にしてあげると、子どもが会話を楽しみながら食べたり、それこそ、退屈せず待ってくれたりすることに繋がるかもしれません。
ある飲食店女将としての気づきですが、外食慣れしてるご家族は、子どもが飽きないものを持参しています。子連れで来店のお客様で、お子さんが2、3歳以降の場合、ほとんどのお客様がスマホで子どもに動画を見せて、親の食事が終わるのを待たせています。3,4歳以降だと、スマホゲームだったりします。私としては、小さな子どもにスマホを持たせることに、少し抵抗があり、店にある絵本とかお絵描きセットを貸し出すのですが、スマホを取り出したあとの子どもには見向きもされません。
何がいいのか、正解はわかりませんが、食べている間はスマホなどは持たさずに、子どもがお腹がいっぱいになったら、遊んでもいいよ、とメリハリをつけた方がいいのではないかなぁと感じることはあります。食べ物をちゃんと見て食べる・「美味しいねー」「柔らかいねー」など親子で会話することで五感も育つのではと。
こちらは、飲食店女将の顔をもつ、先輩ライターからいただいた貴重なお話です。これまで、子連れで外食する側の視点で書いてきましたが、食事を提供する側のご意見は私も初めて知ることができました。子どもが使ってもいい道具や絵本があるととても助かりますよね。また、飲食店側の気遣いってとてもありがたいです。
また、上の先輩ママの話にもありますが、食事中の会話は、子どもの五感を育てる上でも欠かせないものです。まだ話せない月齢の子どもにも、食事中の気づきや感想などを語りかけることも同じ理由でとても大切です。どうしても、おもちゃや絵本、スマホ・タブレットで子どもに待っていてほしいときもありますが、「家族との食事が楽しい」と思えるように、それぞれ、使いどきや使い方には気をつける必要があるかもしれません。
特に、スマホ・タブレットについてはいろいろな考え方があると思います。次は、子どもがスマホ・タブレットを使うことについて、ピックアップしていきたいと思います。
◇スマホ・タブレットを使うこと
子どもがいない時は、家族連れでご飯食べに来てるのに、子どもにスマホやタブレット見せるのはどうなんだろう?と思うこともあったのですが、正直これ以外に親がゆっくりご飯を食べる策は今のところないです。
シール・絵本なんかは散らばったり、汚れが気になるし、おもちゃなんてとっくに飽きてるし…。
子どもがご飯を食べる時は、もちろんしまっておきますが、食べ終わったあとに、動画を見るという目的でだけ使用しています。家では一切タブレットやスマホで動画も見せないですし、本当にこの一瞬の時間だけなんだけど、はたから見たらずっと見せてるように思われるのかな~?とか思ったりはします。私も他に効果的な方法があるなら知りたいのですが、こんなに便利なものがある以上、家庭の中から遠ざけることはできないので、使い方を考えて、子どもにもそれを教えるという視点で使用するのはアリだと思っています。
とても共感できるエピソードだなと思いました。私自身も、外食中や出先で待ってもらわないといけないときに「どうしても」という思いで使っています。「この親はスマホで子育てをしている。」とネガティブに感じる人もいるような気がして、周りの目も気になります。
子どもが食事中に限らず、スマホ・タブレットを使うことには、メリットもデメリットもあります。
メリットとしては、音楽をきいたり、動画を見ることができたりと1台でいろいろなことができることです。子どもにとっての語彙が増えたり、新しい発見があることもよさだと思います。外食先では、子どもが飽きずに集中してくれるので、大人の食事時間を作ることができて助かります。しかも荷物にならない!
デメリットとしては、やはり視力低下の心配や同じ体勢、特に下を向いたままの姿勢が続くと、『ストレートネック(スマホ首)』になりやすいと言われています。また、刺激が多く、一方的に映像や音声が入ってくるので、コミュニケーション能力の向上にも影響があると言われています。
デメリットを考えると、子ども自身で管理ができないうちは積極的に使わせようとは思いません。しかし、使う・使わないのどちらの選択も間違っていないと思います。
大事なことは、スマホ・タブレットを使い方と大人のかかわり方だと思っています。食事中にどうしても使うとき、私がいつも心掛けていることが二つあります。
一つ目は、食べ終わってからスマホ・タブレットを使うようにしています。食べながらスマホを見る習慣が定着してしまうと、大きくなってからも継続する可能性があるからです。そうすると、外食に限らず、家族での食事において会話が少なくなり、子どもの食への興味関心が薄れていく心配があります。「スマホを早くみたい!やりたい!」という思いが強いと、そればかりが優先され、食事中に食べものをゆっくり味わうことや家族で一緒に食事をする楽しさを感じることがなくなってしまうのです。
なので、仕方がなく使うときは、食べる時間と使う時間のメリハリを大切にしています。せっかく一緒に食事をしているのだから、一緒に楽しむ習慣を大事にしたいですよね。
二つ目は、「子ども一人でスマホを使わせない」ことです。子どもとスマホだけの空間を作ってしまうと、姿勢も直されないし、会話もなく、スマホからの情報を一方的に受け取るだけなので、それこそデメリットに繋がってしまいます。
外食中、子どもにスマホを見て待っててほしいと思ったら、話しかけたり、一緒に見たりして親がかかわるようにしています。親は食べながらになってしまいますが、かかわることで、姿勢も意識できますし、自然と会話もできます。スマホを見せて放置という状況にしたくないということもありますが、この先、子どもが大きくなってスマホ・タブレットを使うことを考えると、幼いうちは、一緒に使うという習慣をつけて、ルールや正しい使い方を学んでほしいのです。
遅かれ、早かれ、小学校入学を機に、子どもたちはタブレットを使うようになります。現に、学校現場では、タブレットを使った学習が取り入れられており、家庭にタブレットを持ち帰り、自宅学習で活用するなんてこともあります。幼いうちからスマホ・タブレットに慣れておくことは決して悪いことではありません。もちろん、慣れておく必要があるというわけではありません。
もし、幼いうちから使うのであれば、スマホ・タブレットを使うことのメリットやデメリットを親がよく理解しておくことで、スマホのメリットを最大限いかすこともできますし、使うことで起こる悪影響も防ぐことができます。
外食中、もし使わないとどうにもならないときがあったら、スマホやタブレットがその場しのぎの道具ではなく、「子どもの成長を促すツールだ!」と思って使うといいかもしれません。
◇まとめ
まず、これまでに触れた食育実践を簡単にまとめてみます。
〇大人の食事に対する前向きな声かけは、子どもの食事への意識作りによい影響を与える。
〇家族でゆっくり食事を楽しめる環境づくりを心掛けると、子どもの食に向き合う時間が長くなり、食事への興味関心が高まる。
〇「おいしいね」や「やわらかいね」など、食事中の会話は、子どもの五感が育ったり、食事のマナーを学ぶことができたり、食事を楽しむようになったりと子どもの食育に繋がる。
〇「こんな味がするよ」や「こんな野菜があるね」などの食事の気付きを話すことは、子どもの「食べてみたい!」などの食への前向きな気持ちづくりになる。
〇食事を味わうことや家族での食事を楽しむことを大事にできるように、食べる時間とおもちゃやスマホなどで遊ぶ時間とのメリハリをつける。
まとめているうちに、自分はできているのかなぁと改めて振り返ることができました。どれも大切なことですが、個人的に一番大事にしたいことは、食事中の会話を充実させたいなということです。家族での食事が何でも話せるような時間になれば、ささいな世間話だけでなく、大人も子どもも悩み事ややりたいことなどを安心して打ち明けやすくなります。家族と一緒に過ごす時間が多いことを考えると、家族と何でも話せる空間があると安心して過ごすことができますよね。
何より、食事での会話が楽しいと食事も自然と楽しくなりますよね。楽しい食事は、きっと飽きることは少ないはず。大人が楽しい食事を心がけることも、子どもが長く食事を楽しめるようになる秘訣かもしれません。
今回のアンケートを通して、外食中に子どもを待たせる大変さをみなさんが感じていることに改めて気づくことができました。本当ならおもちゃやスマホなどは使わず、外食にきたなら、初めから終わりまで、一緒に食事を楽しんで、一緒に食べ終わることができれば一番いいなぁと思います。でも、子どもの年齢次第では難しいときもあるし、大人同士、会話もせっかくのおいしい料理も楽しみたいですよね。子ども優先ではあるけれど、大人の気持ちだって大事にしたいところです。
だからこそ「どうして待っていてくれないの」ではなく、「待っていてくれてありがとう」という感謝を忘れないようにしようと改めて思いました。外食は、家族の団らんの時間でもあります。「せっかく待っていてもらうのだから、お互いにとって楽しい時間にしよう」とも思いました。
以上で、かめこの気になるリサーチ終了となります!同じ悩みをもつみなさんの助けに少しでもなれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
- ユニバーサルデザインとは、「あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多
様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方」(『障害者基本計画(平成14年12月閣議決定)』)です。 ↩︎