「選択の自由を」母の願いから始まったお店。『柚野商店』店長 平野映子さん

2025.11.20 公開

子どものためにできるだけいいものを食べさせたい。様々な価値観にふれさせたい。そんなふうに思うお母さんたちは多いのではないでしょうか。

自身のお子さんのアレルギーがきっかけでパン作りを始め、現在は柚野という車がなければスーパーなどに行くことが難しい地域で、商店を経営する平野さん。

柚野商店を通じて送るお母さんたちへのメッセージをハハラッチしてきました。

柚野商店を始めるきっかけ

柚野商店は、以前は遠藤商店デイリーヤマザキでした。地域の方がお酒やたばこを買いに来たり、日用品などを買いに来たりする柚野地区唯一の商店。しかし、2022年3月、地域の方に惜しまれながらも閉店が決まります。

そこで「柚野地区唯一の商店を引き継ぎ、地域の未来を守りたい!」と平野さんが手を上げ、商店を引き継ぐことになりました。

アレルギーがあっても大丈夫!「Farmer’s Kitchen どってん家」

もともと生産することの魅力を感じていた平野さん。子育て中にお子さんと田んぼをしたり、小麦を育てたり、畑をしたりと土からの恵みを大切にしていました。

そんな中、自身のお子さんのアレルギーがきっかけで、卵や乳製品を一切使っていないパン屋さん「Farmer’s Kitchenどってん家」を開店。

アレルギーのあるお子さんや、食べ物を選ぶ選択肢が少ない人も「このお店のものは何でも食べられる。どれでも好きなものを選んでいいんだよ。」と言いたくて作ったお店です。と平野さんは話します。

自家栽培小麦、国産減農薬の小麦を配合して作り、ナッツやドライフルーツは有機JAS、野菜は生産者が見える近隣有機農家さんのものを使い、誰もが安心して食べられるものをと、こだわりのパン屋さんを営んでいました。

そこで、入れ物をもって買い物に来てくれるお客さんに出会ったり、ナッツ、ドライフルーツの量り売りをしたりすることで、もっとエコな場所を増やしたいという思いが生まれます。これが柚野商店のこだわりにつながっていきます。

柚野商店開店 多様なニーズに答えること=選択の自由を

パン屋「Farmer’s Kitchen どってん家」でこだわってきた、子どもに安心できるものをあげたいという思い、量り売りで「必要な時に必要な分を、パッケージフリーで」というエコに対する思い、そして柚野という地域を未来に残したいという思いで開店が決まった柚野商店。

柚野に住む子育て真っ最中のお母さんスタッフたちと開店準備が進み、2022年6月に柚野商店がオープンしました。

オーガニック、無添加にこだわったお野菜や食品、調味料、量り売りなどの商品に加え、地域のニーズに合わせて、お酒やたばこの販売、お仕事する方が頼りにするお惣菜、お弁当などを扱っています。

また、お客さんが来るたびに楽しめるようにと、曜日ごとに違うお店のパンやスイーツ、お惣菜などの商品も並びます。平野さんの「Farmer’s Kitchen どってん家」のパンも、曜日ごとに入れ替わりで置かれています。いろいろなお店の商品を楽しめるのも柚野商店の魅力です。

このように様々な選択肢のなかから、いろいろな価値観にふれることができ、自由な選択ができるお店にしたいと平野さんは話します。

そして、なにより柚野という地域を住みやすい場所にしたいとの思いから、車の運転ができない高齢のお客さんに食品や日用品のお届けなどもしているそうです。

今後は、クラフトコーラやジンジャーシロップなど、その時使う分だけ季節を楽しめるような量り売りの使い方、パッケージフリーな買い物の提案、レシピの提案などをしたり、イベントの出張販売で、量り売りも広げていったりしたいと話します。

いつ行ってもあたたかい!子育て中のお母さんスタッフ

子育て中のお母さんスタッフと平野さん

柚野商店のスタッフは子育て中のお母さんたち。

子どもたちも買い物をして、生きた算数を身に着けてほしい。自分の選択に責任を持てるようになってほしい。そんなお母さんスタッフたちの願いから、駄菓子や、おやつになるような量り売りもあります。

駄菓子を選ぶ娘

そして、いつ行っても、スタッフさんたちがあたたかい!

「来年幼稚園くらい?あそこの幼稚園にうちの子通っているけど、楽しそうだよ!未就園児教室やっているよ!」と情報を教えてくれたり、「妊娠中はお腹大きくて大変だよね。暑いから無理しすぎないでね。」と優しく声を掛けてくれたり、お店に行くだけで心が緩みます。

そんなお母さんスタッフとおしゃべりをしに来るだけのお客さんもいるとのこと。何か困ったときに声を掛ければ助けてくれる。そんな地域の心のよりどころにもなっています。

子育て真っ最中の方へ

子育ては孤独に感じることもあると思うけれど、一人じゃない。さみしいよ、大変だよと声をあげれば誰かが助けてくれるよと平野さんは話します。

柚野商店へ行けば、子育て中のお母さんたちがあたたかく出迎えてくれます。ぜひ柚野商店の魅力、平野さんの魅力を感じに柚野へ足を運んでみてください。

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ハハラッチライター

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たぴ

自然大好き、食べるの大好きママ 富士市で育ち、結婚して富士宮の自然豊かな田舎に引っ越してきました。子育て中の日常を思い切り楽しみたい!子どももママもみんなが笑顔になれる富士宮の魅力を発見します!

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