日本一有機農家さんが多いのではないかと言われるこの土地・富士宮。
ここには、仕事としてではなく、趣味として米作りをしている女の子グループがいます!
その名も「もんぺ~ず」☆
メンバーはその年によって変化しつつも、それぞれ仕事や子育てなどと両立しながら米作りを始めて今年で6年目になるそう。
農業の中でも少しハードルが高い印象がある米作りですが、「気楽に楽しめる♪」「半農半Xで楽しく農作業♪」をベースに6年続けてきたという、もんぺ~ずの佐野命さん(写真左から2番目)にお話を伺いました。
「元々自分が無農薬のものを選んで食べていたから、いつか簡単な野菜位作れたらいいなという程度に、農業に興味はあった」という佐野さん。
「自分で作れたら経済的にも少し助かると思っていた」といった話を聞く限りは、私たちが何となく家庭菜園で簡単な野菜を育ててみよう!と思う動機と似ているように思います。
それが女の子だけで田んぼを始める!となったと聞くと、どんな一大決心だったのかと想像した私ですが、なんと事の始まりはすごい偶然に、突然決まったことなのだそう。
「ある日1人でフラッとコトノネカフェに寄ったら、友人の1人が『田んぼをやりたい。知り合いに借りれて、教えてもらいながら出来るからやらない?』とカフェのオーナーさんを誘っているところだったんです。
そこに偶然居合わせた別の友人も、『私もやりたい!』と言って3人で盛り上がっていました。
図書館帰りだった私は、なんとその日に偶然、”ご自由にお持ち帰りください”のコーナーから”無農薬の田んぼ作り”という本を何気なくもらって持っていたんです!
偶然とは思えない程のこの流れに、『私もやりたい!』と手を挙げて、その日たまたまコトノネカフェに居合わせた4人で米作りを始めることになったんです。」
この光景、女の子ならではのあのキャピキャピと盛り上がっている感じが想像できてしまいます!
田んぼって、そんなに気軽に出来るものというイメージはなかったので驚きました。
「私も、田んぼは水の管理とかが大変で、地域の人との関わりも多いからハードルは高いと思っていました。やるとしても、年をとってからかな~?というイメージでいた。
でも、知り合いの有機農家さんに田んぼを安く貸してもらえるのと、1から教えてもらえるのはラッキーと思い、兼業でもやってみよう!と思えたんです。
1人じゃなく、みんなで一緒にだったからというのも大きいと思います。」
こんな風に実験的にはじまった「もんぺ~ず」の米作りですが、メンバーが入れ替わったり、田んぼの場所が変わったりしながら、今年で6年目になるそう。
今では自然農で田んぼを営み、いろんな人のお手伝いや農体験を受け入れています。
「現代の私達なりの、リアルな農との関わり方を伝えられるかも」と思いながら、兼業農家を続けているのだそうです。
「せっかくやるなら無農薬でと思っていたが、それも毎年少しずつ変化してきました。
でもその決め事も、重苦しい決断というよりはいつも軽やかに感じるままに決めてきたように思います。
例えば最初は動物性のたい肥は使っていたけれど、それを機械でバー!と撒く絵面に、何故かみんなで笑ってしまって! なんかすごいおおごとだなというか。笑
最初は教えてもらった方法で勉強しつつ、だんだん自分達でどんな農法を試してみたいか話し合い、周りの有機農家さんや自然農の農家さんに教えてもらいながら、自然農に行きつきました。
無肥料でやってみることにして、収穫量は少し落ちたけど、味や米のふくらみは変わらず美味しかった。段々と手間をかけずに、自然の流れに沿って出来る方法を模索してきました。
すごい大変かと思いきや、どんどん簡単にしていって、もんぺ~ずずぼら…じゃなくてゆるゆる農法が出来上がっていった感じです!」
今年からメンバーが大入れ替えとなり、又新しい風が吹く予感のもんぺ~ずの米作り。
「たくさんの人に応援してもらい、仕事をしながら田んぼも出来ました!マメに水をチェックしたりと大変な時もあるけれど、きっと一般的な印象よりも難しくなく、米作りって楽しく出来るよ!っていう感覚を知ってもらえたらなと思います。」
と話す佐野さんは、サポートしてくれる人を随時募集しているそうです。
子連れOK
土に触れたい方
将来田んぼをやりたい方
仕事疲れで自然に癒されたい方
どんな方でも、お手伝いを歓迎してくださいます。
「無農薬の田んぼの土は、泥の温泉のような効果もあるのでは!と思っています!」と、癒しを感じているそうです。
作業日程はFacebookのもんぺ~ずページでアップされるそうなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
5~7月は特に忙しいので、作業の日が増えると思います!とのことでした!
年間を通してお手伝いしてくれた方々をお招きして、収穫したお米「もんぺ米」と手料理をふるまう、もんぺ~ず感謝祭を開催したりしているそうです♪
気軽に農体験をさせてもらえて、美味しい実りのおすそ分けもいただいて、いいことだらけですね☆
最後に、そうは言っても大変なこともあるだろう中で、田んぼを続けられているのは何が1番大きいかお聞きしました。
「それは、何と言っても楽しいから!
1人でストイックにやっていたら仕事になってしまうのかもしれないけど、なんだかんだお喋りしながらみんなで作業するのはとても楽しい。
自然の中で作業していると、毎回ハプニングがあったり、毎年違うミニ事件が起こるんです。笑
それを笑い飛ばせるのが、本当に面白くて、やめられないような気がします。」
と、けらけら思い出し笑いをしながら話す佐野さんでした。笑
大変な仕事だからと遠ざけてしまう前に、もんぺ~ずの女の子達のように気軽に楽しんでみる姿勢で、とりあえずやってみる☆
こんな在り方も、古くから守られてきたこの富士宮の宝を受け継いでいく、ひとつの素敵な道のように思えました。